資格勉強をしていると、
「用語が多くて覚えられない」
「順番を覚えるのが苦手」
「参考書を読んでも、あとで思い出せない」
「試験直前に重要項目をまとめて覚えたい」
このように感じることがあります。
FP3級、ITパスポート、登録販売者、宅建などは、覚える用語や制度が多い資格です。
ただ参考書を読むだけでは、なかなか記憶に残らないこともあります。
そんなときに使える記憶術のひとつが、ペグ法です。
ペグ法は、あらかじめ決めた数字やイメージに、覚えたい内容を引っかけて覚える暗記法です。
「ペグ」とは、ものを掛けるフックのようなイメージです。
数字や決まった言葉をフックにして、そこへ覚えたい用語を結びつけます。
この記事では、ペグ法とは何か、資格勉強でどう使えばよいのかを初心者向けにわかりやすく紹介します。
ペグ法とは何か
ペグ法とは、あらかじめ決めた数字や言葉に、覚えたい内容を結びつけて記憶する方法です。
たとえば、1から10までにイメージを決めておきます。
1はペン 1が円柱状でペンに形状が似ている。
2はニワトリ 鶏の形状に数字の2の丸い形状の輪郭を重ねる
3は三輪車 さんで三輪車
4はヨット よんでヨット、数字の4の形状がヨットに似ているイメージをする
5はゴリラ ごでゴリラ、そのまま数字の5の読み
6はロケット 「ろく」でロケット、そのまま数字
7はナナフシ
8はハチ
9はクジラ または、旗に置き換えることができる。数字の9の丸のところが旗の部分
10は銃 じゅうの読みで銃
このように、自分の中で数字ごとのイメージを固定します。そして、覚えたい用語をそのイメージに結びつけます。
他にも、人体のパーツをあてがう方法もあります。例えば、体の頭、額、眉毛、瞳、鼻、ほほ、唇、歯、舌、首、肩、胸、お腹、お尻、太もも、、、のように頭のてっぺんから足の指までを使って連想したり、意味を無理やり与えたりして覚えていきます
たとえば、ITパスポートの用語を覚えたいとします。
クラウド
暗号化
ファイアウォール
データベース
AI
この5つを覚えるなら、次のようにイメージします。
1のペンが雲に刺さっている。クラウド
2のニワトリが暗号文を読んでいる。暗号化
3の三輪車が炎の壁にぶつかっている。ファイアウォール
4のヨットに大量のデータ箱が積まれている。データベース
5のゴリラがAIロボットと会話している。AI
このように、数字と覚えたい用語を変な映像でつなげます。
普通に文字だけで覚えるよりも、イメージが強いほど思い出しやすくなります。
ペグ法は何に向いている?
ペグ法は、すべての勉強に万能というわけではありません。特に向いているのは、次のような暗記です。
順番を覚えたいもの。
リストで覚えたいもの。
10個前後の重要項目。
試験直前に確認したいポイント。
苦手用語のセット。
分類名や手順。
似た用語を区別するためのきっかけ。
逆に、長い文章を丸ごと覚えることにはあまり向いていません。
ペグ法は、用語や項目を思い出すためのフックを作る方法です。
資格勉強では、次のような使い方ができます。
FP3級の6分野を覚える。
ITパスポートの重要用語を覚える。
登録販売者の成分名を覚える。
宅建の重要数字を覚える。
簿記3級の勘定科目を覚える。
特に「試験範囲の全体像」や「重要項目のリスト」を覚えるときに便利です。
ペグ法の基本手順
ペグ法は、次の流れで使います。
1. 数字ごとのイメージを決める
まず、1から10までのイメージを決めます。おすすめは、すぐに頭に浮かぶものを選ぶことです。
たとえば、
1はペン
2はニワトリ
3は三輪車
4はヨット
5はゴリラ
6はロケット
7はナナフシ
8はハチ
9はクジラ
10は銃
このようにします。
大切なのは、毎回同じイメージを使うことです。1を今日はペン、明日はイチゴ、というように変えると混乱します。
自分の中で固定したペグを作りましょう。
2. 覚えたいものをリストにする次に、覚えたい内容をリストにします。
たとえば、ITパスポートの用語なら、
- クラウド
- 暗号化
- ファイアウォール
- データベース
- AI
このように並べます。
最初は5個から10個くらいに絞るのがおすすめです。
いきなり30個、50個を覚えようとすると、ペグ法そのものが面倒になります。
3. ペグと覚えたい内容を結びつける
次に、数字のイメージと覚えたい用語を結びつけます。
1のペンとクラウドを結びつける。
2のニワトリと暗号化を結びつける。
3の三輪車とファイアウォールを結びつける。
ここで大切なのは、普通の映像にしないことです。
印象に残る、少し変な映像にします。
たとえば、
ペンが雲に刺さってインクの雨を降らせている。
ニワトリが暗号文を読んで首をかしげている。
三輪車が炎の壁に突っ込んで煙だらけになっている。
このくらい変な方が思い出しやすいです。
4. 頭の中で再生する
イメージを作ったら、1から順番に思い出します。
1はペン。
ペンが雲に刺さっていた。
雲だからクラウド。
2はニワトリ。
ニワトリが暗号文を読んでいた。
暗号化。
3は三輪車。
三輪車が炎の壁に突っ込んだ。
ファイアウォール。
このように、数字のペグから用語を思い出します。
5. 数日後に復習する
ペグ法で覚えても、復習しなければ忘れます。
覚えた当日だけでなく、翌日、3日後、1週間後に軽く復習しましょう。
記憶術は、覚えるきっかけを作る方法です。
長く覚えるには、復習が必要です。
ペグ法で大切なのは「変なイメージ」
ペグ法で一番大切なのは、強いイメージを作ることです。
普通すぎる映像は、すぐに忘れます。
たとえば、
ペンでクラウドと書く。
これでは弱いです。
それよりも、
巨大なペンが空の雲に突き刺さり、雲からデータの雨が降ってくる。
この方が印象に残ります。
記憶に残りやすいイメージには、次のような特徴があります。
大きい。
変である。
動きがある。
音がある。
感情がある。
ありえない組み合わせである。
資格勉強だからといって、まじめな映像にする必要はありません。
むしろ、少しふざけたイメージの方が覚えやすいです。
資格勉強で使うペグの例
ここからは、資格別にペグ法の使い方を紹介します。
ITパスポートでの使い方
ITパスポートは、用語が多い資格です。
ペグ法は、重要用語をまとめて覚えるときに使えます。
たとえば、セキュリティ関連の用語を覚える場合です。
- 暗号化
- 認証
- ファイアウォール
- マルウェア
- フィッシング
- バックアップ
- アクセス制御
- 脆弱性
- ログ
- インシデント
これをペグ法で覚えると、次のようにできます。
1のペンが文字を鍵付きの箱にしまっている。暗号化
2のニワトリが身分証を見せて門を通る。認証
3の三輪車が炎の壁に止められる。ファイアウォール
4のヨットに悪い虫が大量に乗っている。マルウェア
5のゴリラが釣り竿で偽メールを釣っている。フィッシング
6のロケットに予備データの箱を積んで飛ばす。バックアップ
7のナナフシが入口で通行証を確認している。アクセス制御
8のハチの巣に穴が空いている。脆弱性
9のクジラが日記帳に通信記録を書いている。ログ
10の銃が突然暴発して事件が起きる。インシデント
このようにすると、ただ用語を並べるより思い出しやすくなります。
FP3級での使い方
FP3級は、分野が広い資格です。
まずは6分野をペグ法で覚えることができます。
- ライフプランニング
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
これをペグ法にすると、
1のペンで人生設計表を書いている。ライフプランニング
2のニワトリが保険の傘で雨を防いでいる。リスク管理
3の三輪車に投資信託の箱が積まれている。金融資産運用
4のヨットに税金の請求書が大量に届く。タックスプランニング
5のゴリラが家の模型を持っている。不動産
6のロケットが遺言書を宇宙へ運んでいる。相続・事業承継
このように覚えられます。
FPは範囲が広いので、最初に全体像を覚えておくと勉強しやすくなります。
簿記3級での使い方
簿記3級は、基本的には問題を解きながら覚える資格です。
ただし、勘定科目や5つの分類を覚えるときにはペグ法も使えます。
たとえば、簿記の5要素を覚える場合です。
- 資産
- 負債
- 純資産
- 収益
- 費用
ペグ法にすると、
1のペンが宝箱に入っている。資産
2のニワトリが借金の紙をくわえている。負債
3の三輪車が自分の名前入りの金庫を運んでいる。純資産
4のヨットに売上のお金がどんどん入ってくる。収益
5のゴリラが大量のレシートを払っている。費用
このようにイメージできます。
簿記では、用語だけを覚えるよりも、問題を解くことが大切です。
ペグ法は、最初の分類や基本用語を覚える補助として使うとよいです。
登録販売者での使い方
登録販売者は、成分名や効能、副作用など、暗記量が多い資格です。
ペグ法は、成分名を順番に覚えるときや、苦手成分をまとめるときに使えます。
たとえば、覚えにくい成分を5つ選んだとします。
- アセトアミノフェン
- イブプロフェン
- ジフェンヒドラミン
- カフェイン
- ロートエキス
これをペグ法で覚えるなら、
1のペンが熱を下げる氷を持っている。アセトアミノフェン
2のニワトリが痛みで羽を押さえている。イブプロフェン
3の三輪車に眠そうな人が乗っている。ジフェンヒドラミン
4のヨットでコーヒーが波のようにあふれている。カフェイン
5のゴリラが胃の模型を抱えている。ロートエキス
このように、自分なりのイメージにして覚えます。
登録販売者は暗記量が多いので、ペグ法だけで全部覚えるのは大変です。
苦手な成分や、試験直前に確認したい項目だけに使うと効果的です。
宅建での使い方
宅建では、法律用語や数字、期間が多く出てきます。
ペグ法は、重要な数字や手順を覚えるときに使えます。
たとえば、宅建業法で覚えたい重要項目を10個に絞り、ペグに結びつけます。
1は免許。
2は取引士。
3は重要事項説明。
4は37条書面。
5は媒介契約。
このように、順番を決めて覚えることもできます。
法律系資格では、ペグ法だけで理解するのは難しいですが、試験前の確認リストには使いやすいです。
ペグ法に向いている内容と向かない内容
ペグ法には向き不向きがあります。
向いている内容
順番のあるリスト。
10個前後の重要項目。
試験直前のチェック項目。
苦手用語のセット。
資格の大分類。
暗記カードにしたい内容。
手順や条件。
向かない内容
長い文章の丸暗記。
深い理解が必要な理論。
計算問題そのもの。
仕訳の実践力。
法律の細かい解釈。
大量の用語すべて。
ペグ法は、あくまで思い出すためのきっかけを作る方法です。
理解や問題演習の代わりにはなりません。
たとえば簿記なら、ペグ法で用語を覚えても、仕訳問題を解く練習は必要です。
ITパスポートでも、用語を覚えるだけでなく、問題文でどう問われるかを確認する必要があります。
ペグ法を使うときの注意点
ペグ法は便利ですが、使い方を間違えると時間がかかりすぎます。
1. きれいなイメージを作ろうとしすぎない
ペグ法のイメージは、自分が思い出せれば十分です。
きれいな絵や完璧な物語にする必要はありません。
むしろ、変で雑なイメージでも、自分にとって印象が強ければ問題ありません。
2. たくさん覚えようとしすぎない
最初から100個の用語をペグ法で覚えようとすると大変です。
まずは5個から10個で試しましょう。
慣れてきたら増やせば大丈夫です。
3. 理解せずにイメージだけ覚えない
ペグ法は、用語を思い出す助けにはなります。
しかし、意味を理解していなければ試験では使えません。
たとえば、ファイアウォールを炎の壁として覚えても、実際の意味を理解していなければ問題で迷います。
イメージと意味をセットで確認しましょう。
4. 復習しないと忘れる
ペグ法で覚えた内容も、放置すると忘れます。
翌日、3日後、1週間後に復習しましょう。
記憶術は、復習とセットで使うことが大切です。
ペグ法の練習方法
ペグ法に慣れていない人は、いきなり資格用語で始めるより、身近なもので練習するとわかりやすいです。
たとえば、買い物リストで練習します。
- 牛乳
- 卵
- パン
- コーヒー
- ティッシュ
ペグに結びつけると、
1のペンから牛乳が噴き出している。
2のニワトリが巨大な卵を産んでいる。
3の三輪車がパンでできている。
4のヨットがコーヒーの海を進んでいる。
5のゴリラがティッシュで涙を拭いている。
このように練習すると、ペグ法の感覚がつかめます。
慣れてきたら、資格用語に使ってみましょう。
自分専用のペグを作る
ペグ法で使うイメージは、自分が覚えやすいものにして大丈夫です。
たとえば、1から10を次のようにしてもよいです。
1はイチゴ
2はニンジン
3はサンタ
4はヨット
5はゴリラ
6はロウソク
7はナナフシ
8はハチ
9は救急車
10は銃
数字の音に近いものを選ぶと覚えやすいです。
1はイチゴ
2はニワトリ
3はサンマ
4はヨット
5はゴリラ
6はロケット
7はナナフシ
8はハチ
9はクジラ
10は銃
このように、語呂に近いものでも大丈夫です。
大切なのは、何度も同じペグを使うことです。
一度自分専用のペグを作ると、いろいろな暗記に応用できます。
ペグ法と暗記カードを組み合わせる
ペグ法は、暗記カードと組み合わせると使いやすくなります。
たとえば、カードの表に、
1 ペン
と書きます。
裏に、
クラウド
ペンが雲に刺さっている
と書きます。
または、
表に用語を書き、裏にペグイメージを書く方法もあります。
暗記カードにすると、すきま時間に確認しやすくなります。
覚えたカードと覚えていないカードを分けられるのも便利です。
ペグ法と白紙再現法を組み合わせる
ペグ法で覚えたあとに、白紙再現法を使うのもおすすめです。
白紙に1から10まで数字を書きます。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
そして、それぞれのペグから覚えた用語を思い出して書きます。
1はペン。雲に刺さっていたからクラウド。
2はニワトリ。暗号文を読んでいたから暗号化。
3は三輪車。炎の壁にぶつかったからファイアウォール。
このように思い出します。
白紙に書くことで、覚えているかどうかがはっきりします。
ペグ法と分散復習を組み合わせる
ペグ法で覚えた内容は、復習してこそ定着します。
おすすめの復習タイミングは、次の通りです。
覚えた直後。
翌日。
3日後。
1週間後。
試験前。
毎回長く復習する必要はありません。
1から10まで頭の中で再生するだけでも復習になります。
短時間でできるので、資格勉強のすきま時間にも向いています。
ペグ法で覚えた内容を問題演習につなげる
ペグ法で用語を覚えたら、必ず問題演習につなげましょう。
用語を覚える。
意味を確認する。
問題を解く。
間違えたらイメージを修正する。
もう一度問題を解く。
この流れが大切です。
ペグ法で用語を思い出せても、問題文で使えなければ点数にはつながりません。
資格試験では、覚えた知識を問題に当てはめる力が必要です。
まず試すなら5個だけでいい
ペグ法に興味がある人は、まず5個だけで試してみましょう。
たとえば、ITパスポートなら、
クラウド
暗号化
ファイアウォール
データベース
AI
FP3級なら、
ライフプランニング
リスク管理
金融資産運用
タックスプランニング
不動産
簿記3級なら、
資産
負債
純資産
収益
費用
このくらいからで十分です。
いきなり大量に覚えようとせず、まずは「イメージで思い出す感覚」を試してみましょう。
ペグ法にあると便利な道具
ペグ法を実践するなら、次のような道具があると便利です。
暗記カード
単語カード
ノート
付箋
ホワイトボード
学習タイマー
資格参考書
問題集
ブックスタンド
デスクライト
特に使いやすいのは、暗記カードとノートです。
ペグ番号、イメージ、覚えたい用語をまとめておくと、あとで復習しやすくなります。
ホワイトボードに1から10まで書いて、そこに用語を当てはめる方法もあります。
まとめ
ペグ法は、数字や決まったイメージに覚えたい内容を引っかけて覚える記憶術です。
資格勉強では、用語、分類、順番、重要項目のリストを覚えるときに役立ちます。
基本の流れは、次の通りです。
- 数字ごとのイメージを決める
- 覚えたい内容をリストにする
- 数字のイメージと用語を結びつける
- 頭の中で再生する
- 数日後に復習する
- 問題演習で確認する
ペグ法のポイントは、少し変で印象に残るイメージを作ることです。
きれいな映像である必要はありません。
自分が思い出せるなら、変なイメージで大丈夫です。
ただし、ペグ法は万能ではありません。
長い文章の丸暗記や、深い理解が必要な内容には向きません。
また、ペグ法で用語を覚えても、問題演習は必要です。
資格勉強では、
ペグ法で思い出すきっかけを作る。
参考書で意味を理解する。
問題集で使える知識にする。
分散復習で忘れにくくする。
この流れで使うと効果的です。
FP3級、簿記3級、ITパスポート、登録販売者、宅建など、暗記が多い資格では、ぜひ試してみてください。
