資格勉強をしていると、用語が多すぎて頭の中が整理できないことがあります。
「この用語、前に見た気がする」
「似た言葉が多くて混乱する」
「覚えたはずなのに、試験問題になると思い出せない」
「参考書のどこに書いてあったか思い出せない」
このような悩みがある人に使いやすい暗記法が、五十音順別記憶術です。
五十音順別記憶術とは、覚えたい用語を「あ行」「か行」「さ行」のように、五十音ごとに分けて整理する方法です。
難しい記憶術のように見えるかもしれませんが、やり方はシンプルです。
用語を五十音順に分類して、頭の中に「検索しやすい棚」を作るイメージです。
特に、ITパスポート、FP3級、登録販売者、宅建など、覚える用語が多い資格と相性が良い方法です。
この記事では、五十音順別記憶術のやり方と、資格勉強への使い方を紹介します。
五十音順別記憶術とは何か
五十音順別記憶術とは、覚えたい用語を五十音ごとに分けて整理する暗記法です。
たとえば、ITパスポートの用語を覚える場合、次のように分類します。
あ行
暗号化
アルゴリズム
アジャイル
IoT
か行
クラウド
仮想化
可用性
完全性
さ行
サーバ
サブネット
情報セキュリティ
システム監査
た行
データベース
ディジタル署名
トランザクション
このように、用語の頭文字ごとに分けて整理します。
ただ単に用語を並べるのではなく、頭の中で「あ行の棚」「か行の棚」「さ行の棚」を作るようなイメージです。
思い出せないときに、あ行から順に探していけるのが特徴です。
五十音順に分けるとなぜ覚えやすいのか
資格勉強では、覚える用語がバラバラに出てきます。
参考書では分野ごとに説明されていますが、試験問題では違う形で問われることがあります。
そのため、用語を分野だけで覚えていると、思い出しにくい場合があります。
五十音順に分けておくと、別の探し方ができます。
たとえば、「あのIT用語、たしか『か』から始まった気がする」と思ったとき、か行の用語を思い出せます。
クラウド。
仮想化。
可用性。
完全性。
機密性。
このように、頭文字から用語を探せます。
これは、辞書や索引のような使い方です。
用語が多い資格では、頭の中に検索用の索引を作るだけでも、かなり整理しやすくなります。
五十音順別記憶術が向いている資格
五十音順別記憶術は、特に用語が多い資格に向いています。
ITパスポート
ITパスポートは、IT用語、経営用語、セキュリティ用語などが多く出ます。
クラウド。
暗号化。
ファイアウォール。
データベース。
アルゴリズム。
マルウェア。
可用性。
完全性。
機密性。
こうした用語を五十音順に整理すると、思い出しやすくなります。
FP3級
FP3級も、制度や税金の用語が多い資格です。
遺産分割。
医療費控除。
基礎控除。
給与所得。
公的年金。
雑所得。
相続税。
贈与税。
用語を五十音順にまとめると、試験前の確認にも使いやすくなります。
登録販売者
登録販売者は、成分名や効能、副作用などを覚える必要があります。
成分名が多いため、五十音順で整理すると復習しやすくなります。
特に、似た名前の成分を区別したいときに便利です。
宅建
宅建は、法律用語や制度名が多い資格です。
意思表示。
解除。
瑕疵。
重要事項説明。
制限行為能力者。
宅建業法。
媒介契約。
法律用語は難しく感じやすいので、五十音順で整理しておくと見直しやすくなります。
五十音順別記憶術の基本手順
五十音順別記憶術のやり方はシンプルです。
1. 覚えたい用語を集める
まず、参考書や問題集から覚えたい用語を集めます。
最初から全部集める必要はありません。
1章分だけ。
1分野だけ。
苦手な用語だけ。
試験前に見直したい用語だけ。
このくらいで大丈夫です。
いきなり大量に集めると大変なので、まずは20個から30個くらいから始めると使いやすいです。
2. 頭文字ごとに分ける
次に、集めた用語を五十音ごとに分けます。
あ行。
か行。
さ行。
た行。
な行。
は行。
ま行。
や行。
ら行。
わ行。
細かく「あ」「い」「う」まで分けてもよいですが、最初は行ごとで十分です。
用語が増えてきたら、さらに細かく分けてもよいでしょう。
3. 意味を一言で書く
用語だけ並べても、意味がわからなければ試験では使えません。
用語の横に、意味を一言で書きましょう。
たとえば、ITパスポートなら、
暗号化
データを第三者に読まれにくくすること
クラウド
インターネット経由でサービスを使う仕組み
ファイアウォール
外部からの不正アクセスを防ぐ仕組み
このように、短く書きます。
長い説明を書く必要はありません。
自分が思い出せる一言で十分です。
4. 何度も見返す
五十音順にまとめたら、何度も見返します。
あ行だけ見る。
か行だけ見る。
苦手な行だけ見る。
試験前に全部見る。
このように使います。
暗記ノートやカードにすると、すきま時間にも確認しやすくなります。
5. 意味から用語を思い出す
五十音順で整理したあとは、逆引き練習も行いましょう。
用語を見て意味を確認するだけでなく、意味を見て用語を思い出します。
「データを第三者に読まれにくくすること」
答えは暗号化。
「インターネット経由でサービスを使う仕組み」
答えはクラウド。
この練習をすると、試験問題で思い出しやすくなります。
ITパスポートでの使い方
ITパスポートでは、五十音順別記憶術がかなり使いやすいです。
理由は、用語の量が多いからです。
たとえば、次のように整理できます。
あ行
暗号化
データを第三者に読まれにくくすること
アルゴリズム
問題を解くための手順
アジャイル
短い期間で開発と改善を繰り返す方法
IoT
モノがインターネットにつながる仕組み
か行
クラウド
インターネット経由でサービスを利用する仕組み
仮想化
1つの機器を複数の環境のように使う技術
可用性
使いたいときに使える状態
完全性
データが正しく保たれている状態
機密性
見てはいけない人に見せないこと
さ行
サーバ
サービスやデータを提供するコンピューター
サブネット
ネットワークを小さく分けた単位
システム監査
システムが適切に運用されているか確認すること
情報セキュリティ
情報を守るための考え方や対策
た行
データベース
データを整理して保存する仕組み
ディジタル署名
データの作成者や改ざんの有無を確認する仕組み
トランザクション
一連の処理をひとまとまりとして扱うこと
このように整理すると、用語の確認がしやすくなります。
ITパスポートでは、用語を見て意味がわかるだけでなく、意味から用語を思い出せることも大切です。
FP3級での使い方
FP3級では、お金や制度に関する用語が多く出ます。
五十音順に整理すると、試験前の見直しに使いやすいです。
あ行
遺産分割
相続人同士で遺産の分け方を決めること
一時所得
一時的に発生する所得のこと
医療費控除
一定の医療費を支払った場合に受けられる所得控除
か行
基礎控除
所得税や相続税などで一定額を差し引く仕組み
給与所得
会社員などが給料として受け取る所得
公的年金
国の制度に基づいて受け取る年金
さ行
雑所得
他の所得区分に当てはまらない所得
相続税
亡くなった人の財産を相続したときに関係する税金
贈与税
個人から財産をもらったときに関係する税金
は行
配偶者控除
一定条件の配偶者がいる場合に受けられる所得控除
不動産所得
土地や建物の貸付などから得られる所得
保険料控除
一定の保険料を支払った場合に受けられる控除
FP3級では、似た制度や税金が多いため、五十音順に整理したあと、比較表にするのもおすすめです。
たとえば、相続税と贈与税、給与所得と雑所得などは、比較して覚えると混同しにくくなります。
登録販売者での使い方
登録販売者は、成分名が多いため、五十音順別記憶術と相性が良いです。
成分名は、見た目や音が似ているものも多く、ただ参考書を読んでいるだけでは混乱しやすいです。
五十音順に整理すると、成分名を探しやすくなります。
たとえば、
あ行
アセトアミノフェン
イブプロフェン
か行
カフェイン
カンゾウ
さ行
ジフェンヒドラミン
ジヒドロコデインリン酸塩
は行
ブロムヘキシン
プソイドエフェドリン
このように分けます。
さらに、成分名の横に、
何に使う成分か。
どんな注意点があるか。
どの分野で出るか。
を短く書いておくと復習しやすくなります。
登録販売者では、五十音順だけでなく、効能別の分類も大切です。
そのため、
五十音順で探す。
効能別で理解する。
暗記カードで復習する。
この3つを組み合わせると使いやすいです。
宅建での使い方
宅建では、法律用語が多く出ます。
法律用語は日常生活ではあまり使わないため、最初は覚えにくく感じます。
五十音順に整理すると、用語を確認しやすくなります。
あ行
意思表示
契約などで自分の意思を外部に示すこと
遺留分
一定の相続人に認められる最低限の取り分
か行
解除
契約をなかったことにすること
瑕疵
欠陥や問題があること
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積の割合
さ行
制限行為能力者
法律行為に制限がある人
借地借家法
土地や建物の貸し借りに関する法律
重要事項説明
契約前に重要な内容を説明すること
た行
宅建業法
宅地建物取引業に関する法律
抵当権
借金の担保として不動産などに設定される権利
宅建は理解が必要な資格なので、五十音順だけで覚えるのは不十分です。
ただし、用語の整理や試験前の見直しにはとても便利です。
簿記3級での使い方
簿記3級は、問題演習が中心の資格です。
ただし、勘定科目や基本用語を覚えるときには五十音順も使えます。
あ行
売上
商品やサービスを売って得た収益
売掛金
あとで代金を受け取る権利
受取手形
将来代金を受け取るための証書
か行
買掛金
あとで代金を支払う義務
現金
紙幣や硬貨などのお金
減価償却
固定資産の価値を少しずつ費用にすること
さ行
仕入
商品を買うこと
資産
会社が持っている財産
収益
会社に入ってくる利益のもと
は行
負債
将来支払う義務
費用
収益を得るためにかかった支出
簿記では、五十音順で覚えるだけでなく、資産・負債・純資産・収益・費用の分類も大切です。
そのため、五十音順で用語を確認し、分類表で意味を整理するのがおすすめです。
五十音順別記憶術のメリット
用語を探しやすくなる
五十音順に整理すると、用語を頭の中で探しやすくなります。
「この用語、何から始まったかな」と考えたときに、五十音の棚から探せます。
試験前の見直しに使いやすい
試験直前に、参考書を最初から読み直すのは大変です。
五十音順の用語リストがあれば、短時間で重要語句を確認できます。
苦手用語を集めやすい
問題集で間違えた用語だけを五十音順にまとめると、自分専用の苦手用語リストになります。
試験前には、このリストを見直すだけでも復習になります。
資格をまたいで使える
五十音順別記憶術は、特定の資格だけでなく、いろいろな資格に使えます。
FP3級。
ITパスポート。
簿記3級。
登録販売者。
宅建。
行政書士。
MOS。
用語が多い資格なら応用できます。
五十音順別記憶術のデメリット
意味のつながりは弱い
五十音順は、言葉の頭文字で整理する方法です。
そのため、意味のつながりまでは整理しにくいです。
たとえば、ITパスポートの「機密性」「完全性」「可用性」は、すべてか行に入ります。
五十音順では近くに並びますが、それぞれの違いは比較表で整理した方がわかりやすいです。
分野別の理解は別に必要
資格試験では、用語を覚えるだけでなく、分野ごとの理解も必要です。
FPなら、年金や保険、税金などの分野。
ITパスポートなら、ストラテジ、マネジメント、テクノロジ。
簿記なら、資産、負債、収益、費用。
五十音順で用語を覚えたあと、分野別にも整理しましょう。
リスト作りに時間をかけすぎることがある
五十音順リストをきれいに作ろうとしすぎると、時間がかかります。
目的は、きれいなノートを作ることではありません。
試験で思い出しやすくすることです。
最初は、簡単なメモで十分です。
五十音順別記憶術と組み合わせたい方法
五十音順別記憶術は、ほかの暗記法と組み合わせるとさらに使いやすくなります。
比較表記憶法
似ている用語は、五十音順に並べたあと、比較表にします。
たとえば、
機密性
完全性
可用性
この3つは比較表にすると覚えやすいです。
暗記カード
五十音順に整理した用語を、暗記カードにします。
表に用語。
裏に意味。
または、
表に意味。
裏に用語。
この形にすると、すきま時間に復習しやすくなります。
逆引き暗記法
用語から意味を確認するだけでなく、意味から用語を思い出します。
たとえば、
「データが正しく保たれていること」
答えは完全性。
このように練習すると、試験問題で答えを思い出しやすくなります。
分散復習法
五十音順リストを作ったら、定期的に見直します。
今日。
翌日。
3日後。
1週間後。
試験前。
このように間隔を空けて復習すると、忘れにくくなります。
五十音順別記憶術のノート例
ノートに作る場合は、次のような形が使いやすいです。
あ行
暗号化
データを読まれにくくすること
アルゴリズム
問題を解く手順
か行
クラウド
ネット経由でサービスを使う仕組み
可用性
使いたいときに使えること
完全性
データが正しく保たれていること
さ行
サーバ
サービスを提供するコンピューター
情報セキュリティ
情報を守る考え方
このように、用語と一言説明だけで十分です。
長い文章を書く必要はありません。
一言で思い出せるようにすることが大切です。
五十音順リストを作るときのコツ
最初から全部作らない
参考書全体の用語を一気にまとめようとすると大変です。
まずは1章分だけで作りましょう。
または、問題集で間違えた用語だけでも十分です。
一言説明にする
説明は短くしましょう。
長い説明を書くと、ノート作りに時間がかかります。
自分が意味を思い出せる一言で十分です。
苦手用語に印をつける
何度も間違える用語には印をつけましょう。
丸印。
付箋。
色ペン。
チェックマーク。
自分がわかれば何でも大丈夫です。
試験前は、印がついた用語を優先して見直します。
覚えた用語は印を外す
付箋を貼ったままだと、どこが苦手かわからなくなることがあります。
覚えた用語は、付箋を外したり、チェックを変えたりしましょう。
苦手なものだけが残るようにすると、復習がしやすくなります。
五十音順リストを作る道具
五十音順別記憶術を使うなら、次のような道具があると便利です。
ノート。
ルーズリーフ。
暗記カード。
付箋。
ファイル。
インデックスシール。
ホワイトボード。
学習タイマー。
特におすすめは、ルーズリーフやバインダーです。
用語が増えたときに、あとからページを追加しやすいからです。
たとえば、あ行、か行、さ行ごとにページを分けておけば、新しい用語を追加しやすくなります。
五十音順別記憶術でやってはいけないこと
きれいなノート作りが目的になる
五十音順リストをきれいに作ることが目的になると、勉強時間が減ります。
大切なのは、見返して覚えることです。
見た目はシンプルで構いません。
用語だけ並べて意味を書かない
用語だけ並べても、意味がわからなければ試験では使えません。
必ず一言説明を入れましょう。
五十音順だけで勉強を終わらせる
五十音順別記憶術は、用語整理には便利です。
しかし、資格試験では問題演習も必要です。
用語を覚えたら、必ず問題集で確認しましょう。
大量に作りすぎる
用語を全部まとめようとすると、量が多くなりすぎます。
まずは、重要用語や苦手用語だけに絞りましょう。
試験前の使い方
試験前には、五十音順リストを使って短時間で確認します。
まず、あ行から順に見ます。
用語を見て意味が言えるか。
意味を見て用語が言えるか。
苦手な用語に印が残っていないか。
似た用語を混同していないか。
このように確認します。
試験前に参考書を全部読み直すのは大変です。
五十音順リストがあると、自分が覚えたい用語だけを効率よく見直せます。
まず試すならITパスポートがおすすめ
五十音順別記憶術を初めて使うなら、ITパスポートの用語で試すのがおすすめです。
理由は、ITパスポートは用語が多く、五十音順に整理しやすいからです。
まずは、10個だけで大丈夫です。
暗号化。
アルゴリズム。
クラウド。
可用性。
完全性。
機密性。
サーバ。
データベース。
ファイアウォール。
マルウェア。
これを五十音順に並べ、一言説明を書きます。
慣れてきたら、FP3級や登録販売者にも応用できます。
まとめ
五十音順別記憶術は、覚えたい用語を「あ行」「か行」「さ行」のように分類して整理する暗記法です。
用語が多い資格では、頭の中に検索用の棚を作るような効果があります。
特に向いている資格は、次のようなものです。
ITパスポート。
FP3級。
登録販売者。
宅建。
簿記3級。
行政書士。
MOS。
基本の流れは次の通りです。
- 覚えたい用語を集める
- 五十音ごとに分ける
- 用語の意味を一言で書く
- 何度も見返す
- 意味から用語を思い出す
- 問題集で確認する
五十音順別記憶術は、用語を探しやすくする方法です。
ただし、意味の理解や問題演習の代わりにはなりません。
用語を五十音順で整理し、比較表や暗記カード、問題演習と組み合わせることで、資格勉強に使いやすくなります。
「用語が多すぎて覚えられない」と感じる人は、まず苦手用語を10個だけ五十音順にまとめるところから始めてみましょう。